猫で多い心臓の病気 ~肥大型心筋症について~
院長の堀です。
6月7月と驚くほど暑い日が続いておりますが、みなさま体調はいかかでしょうか。
この時期は熱中症が多くなってきますので、お出かけの際はエアコンをつけるなど暑さの対策をしっかりとしていきましょう。
本日は猫に多い心臓の病気である、肥大型心筋症をご紹介いたします。
肥大型心筋症は名前の通り心臓の筋肉が分厚くなり、結果として心臓の内腔(血液をためる空間)が狭くなってしまう病気です。
初期では特は症状もなく生活に影響もありませんが、重度になると呼吸困難や後ろ足の麻痺など重篤な症状が生じ最悪の場合急死する場合もみられます。
左は肥大型心筋症の猫ちゃんの心臓超音波検査画像です。右の正常の猫ちゃんの画像と比べ筋肉が分厚くなり左心室の空間が狭くなってしまっています。この状態が続くと全身の血の巡りが悪くなってしまい、血管内に血栓ができてしまうことがあります。
この病気の大きな問題点は、重度にならなければ聴診で判断できない場合が多いということです。そのため、症状が強く出た状態で初めてこの病気が見つかることも珍しくありません。
このようなことから、猫ちゃんに関しては定期的な心臓超音波検査をおすすめしております。超音波検査の場合心臓の筋肉の状態などは一目見て判断することができるため、早期発見の検査としてはとても優秀です。
もしおうちの猫ちゃんが、「ふらつくようになった」、「咳が増えた」、「よだれが目立つ」などの症状が少しでも出てきた場合、かかりつけの獣医さんに相談しましょう。